パワーのMLBと技のNPB 極端な守備シフト
MLBではバッターの特性を分析し、極端に守備位置を変えるシフトが見受けられます。これは、MLBはパワーを主体とした選手が多いため、打球が集まりやすい位置に野手を集めることが、それなりに効果をもたらすからです。
アメリカのメディアによると、2018年のリーグ全体では打者に合わせた守備シフトを取り入れた率は約17%もありました。この数字は2017年のシーズンと比べて5%も上昇しているそうです。
それに対しNPBのバッターは、技を重視しています。そのため極端なシフトを敷いたとしても、バッターが空いている方法を狙って打つため、効果が薄いのです。またピッチャーにとっても、せっかく打ち取った打球がシフトのせいで外野に抜けてしまうのを嫌がる心理があります。
そんなNPBでも、DeNAと日本ハムはバッターに合わせたシフトを実際の試合で試しています。しかしこれは、野手を集めた位置に打たせるよりも、バッターにシフトを強く意識させることで、本来のバッティングをさせなくすることを目的としているのです。そのためバッターには、シフトに惑わされずに技ありのスイングができるメンタルが求められます。
極端なシフトが敷かれたときは、ピッチャーとバッターの心理戦を楽しむのもNPBの魅力だといえます。